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フード・コラム

食は文化のバロメーター

日本フードアナリスト協会 鈴木博士

「食は文化のバロメーター」と言った人がいます。私の父です。

職人の腕と知恵が頼りになっていた時代、それを十分、発揮できた人の時代です。もはや今日、機械と素材が発達し、職人が不要になりつつあるようです。

料理の世界でも加工品、インスタント品が浸透し、人の手で作る部分が少なくなりました。

どうやら、私たちは化学調味料の味に慣れ過ぎてしまったようです。

今、怖いのは、そうした食品群の中で育った若者が食の仕事に携わっているという現実。本来の味への原体験が乏しい彼らを作り手として迎えているということです。

私のよく知るフランス人のパティシエがいます。彼はフランス人であること、そしてパティシエであることの両方に誇りを持っており、時代に媚びることを知りません。彼は、マドレーヌを焼くとき、当たり前のように型にバターを塗ります。今、バターを使う意味を知らないお菓子屋さんもあるといいます。

目に見えないと違いがわからない、わかろうとしない人が多いのが現実のようです。

「食は文化のバロメーター」。「文化的」と「工業的」は違うものです。

そのありがたさに目を向ける人がもっと増えてこそ、やっと文化的になったと言えるのではないでしょうか。