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フード・コラム

日本とヨーロッパのサービスの違い

日本フードアナリスト協会 斉藤美穂

日本国内のレストランにおける調理技術については、現地修行や研究熱心な料理人の増加によって、近年、非常に高いレベルにあると言っても過言ではないと思います。

しかし、一方では、サービスに関しては店によって、まだまだ大きな開きがあると感じています。

日本でフランス料理をいただく場合の勘定書には、たいていの場合、料理の値段のほかに税金とサービス料が付いてきますが、サービス料は料理の代金のおよそ10%に該当する金額となっています。しかしながら、それに値するサービスを受けた記憶のある方はどの程度いらっしゃるでしょうか。

それというのも、日本ではサービス料が従業員の懐に入らない仕組みになっていて、どれだけ一生懸命お客様へのサービスを行って、結果としてお店の売上げを伸ばしても、お給料は同じであるということが1つの原因ではないでしょうか。

一方で、ヨーロッパなどでは、お客様にいただいたチップがプールされて、その後に従業員の働きに応じて配分される環境が整っており、お客様にご提供するサービスに対しての熱意や姿勢が昨日のそれとは異なるのではないでしょうか。

仮にお客様から横暴な態度があったとしても、「今日は何か嫌なことがあったに違いない。せっかくご来店いただいたのだから、心地よくお帰りいただけるように一生懸命対応させていただこう」「本日はどこかお疲れの様子だから、何か軽いメニューをおすすめして差し上げたほうがよいかもしれない」など、ほんの些細なことにまでお客様の喜ばれるサービスを行うために神経を張り巡らすことができるかどうかが、結果的にはチップの多宴にかかわってくるのです。

そして、サービスの良し悪しは、レストランの良し悪しを見極める格好の材料といっても過言ではありません。

上記は、辻静雄先生の著作より参考とさせていただいたものですが、私のヨーロッパ体験よりみても、まったく同感であると思っています。