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フード・コラム

私と食文化

日本フードアナリスト協会 横田仁美

横田仁美

私のセミナーの基本コンセプトは、「アウトヴィジュアル」です。「アウトヴィジュアル」とは視覚(ヴィジュアル)を超えたもの(アウト)ということで、つまり外面の美しさだけではなく内面の充実をもテーマとしているのです。ですから、セミナーの内容もウォーキング、ファッションコーディネイト、メイクといった外面に関わる事柄から、マナーといった内面に関わる事項に至るまでトータルで行います。多くの受講生は、まず外面の美しさを磨こうとします。そのため、まずは立ち居振る舞いやファッションなどの講座を受講し、そして美しい歩き方・洗練されたファッションセンスを身につけると、それを表現すべく素敵なレストランでのマナーをわきまえた食事の仕方を身につけたいと願うようになります。まさに、食事の場はフィニッシング(仕上げ)と言えるのです。講座を受講し始めた頃、受講生たちはマナーを覚え、守るという消極的な姿勢に終始し、食事や会話を楽しむ余裕はありません。しかし、受講回数を重ねるにつれて受講生の姿勢は変わってきます。マナーを習得したうえで、自分自身を魅力的に表現しようという積極的な姿勢に変化するのです。しかし、自分自身を演出できる空間を提供しているレストランが少ないのが日本の現状です。例えば、味・価格・雰囲気・立地などは完璧だけれども、ライティングがインテリアだけに拘り、女性の肌が美しく見えない。そういう店が少なくないのです。しかも、レストラン側は全く気づいていないことが多いのです。これでは、改善の余地はありません。これまでは、食事の際自分を演出しようという日本人が少なかったため、レストラン側が客のビジュアルを演出できる空間を提供できているか否かを気にかけていなかったとしても、仕方が無いことなのかもしれません。

しかし、これからは美しく食事をしたい日本人が増えていくと思われます。私がニューヨークに滞在中、実際に目の当たりにしたのが人気レストランに行く決め手となるものでした。それは、いかに自分自身を素敵に魅せることが出来るかで、「早い、安い、美味い」だけではないのです。座った椅子が自分のファッションに合っているのか、蝋燭の炎が艶やかな肌を演出するのかなど、食事以外の要素をも考慮した上でレストランを選んでいるのです。もちろん食事は外面の充実だけのものではありません。美味しい料理をいただくと人は幸せな顔になります。それと同時に品性も垣間見えます。お見合いの席で食事を共にするのも頷けます。場を和ませる事だけでなく、箸使いをみれば育ちが分かると言われているからです。毎日のことではあるけれど、大切な時間を費やす食事の場でコミュニケーションを図り、時として社交としても充実するのが望ましいのではないでしょうか?

提供する側もされる側も、お互いに感謝することによってランクアップされることでしょう。これからは、「アウトビジュアル」を視点とした食文化を提唱し勉強したいと思います。
世界に通用するインターナショナルなレストランを目指して。